世界のどっかでカオスに生きる(新)

日本を脱出した筆者が、旅、海外生活、留学、その他カオスでシュールな生き様を曝すブログ

スペイン語力を測ってみよう!新しいスペイン語試験SIELE(シエレ)

※2020/5/21記 新型コロナウイルス感染症の影響で、実施国や会場毎の方針によって試験中止などの措置がとられている場合があります。(試験自体の中止はされていないようです)こちらのページからご希望の国・会場を検索し日程をご確認の上、状況に応じて会場に直接お問い合わせください。
(公式のお知らせはこちらスペイン語))

ごきげんよう

語学力を客観的に測るには…やっぱりテスト。
英語だと、TOEICTOEFL、IELTS等々。
スペイン語だと、一番メジャーなのはDELE

そんな中、スペイン語テスト界に新星現る。
2016年から、新しい形のテスト「SIELE」が世界中で導入されています。
筆者も、2018年にグアテマラで受験したので、その体験を書いてみたいと思います。

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スペイン語のメジャーどころが薦める試験

SIELEとは、Servicio Internacional de Evaluacion de la Lengua Españolaの略。
つまり、スペイン語国際評価サービスといったところでしょうか。

”インスティトゥト・セルバンテス、メキシコ国立自治大学、サラマンカ大学ブエノスアイレス大学という世界的な4つの文化・学術機関が振興に努める新しいスペイン語試験”

だそうです。(SIELEホームページより)

読む・聞く・書く・話すの4分野のテストにより、1000点満点のスコアとA1~C1のレベルスペイン語能力が評価されます。
まさに、スペイン語TOEIC
もちろん、4分野のうち一部だけの受験もOK。

2020年5月現在、日本ではまだ東京のセルバンテス文化センターのみでしか受験できないようですが、新しい試験であることもあり、日々受験会場が世界中でどんどん増えているそうです。
日本でも全国で受けられるようになる日は近い…はず。

試験概要

◆試験日・試験会場:こちら参照。(試験を申し込まなくても見られます)

ここで国名・試験科目数を選んで次のページに進むと、日時・会場が提示されます。
つまり、いっぺんに書ききれないくらいたくさんあるということです。

◆試験時間:合計3時間

(リーディング最大60分、リスニング最大55分、ライティング最大50分、スピーキング15~20分・・・受験者次第w)
時間帯も朝開催、午後開催、等々フレキシブル!

◆点数:各250点満点×4分野=1000点満点

◆受験料:国によって多少まちまち

例えば日本で受けると165ユーロ、グアテマラで受けると145ユーロ。
…つまり2019年1月現在、日本円にして20,000円弱
※現在はPaypal支払いのみ受付。

レベル一覧

A1(入門)

A2(初級)

B1(中級)

B2(中上級)

C1(上級)

という具合に、アルファベットが進むほど、数字が大きくなるほどハイレベルになります。(詳しい説明はこちらのページ中ほど参照(DELEのページに飛びます)。)

DELEとの違いは、
・C2(最上級)レベルがない。
・DELEではいずれかのレベルの試験を自分で選んで受ける。
 SIELEではレベル共通の試験を受けて、その点数をもとに「あなたのレベルは◎◎です」と判定してもらえる。

この試験のスゴイところ

すべてがPC上で行われる

試験というとどうしても紙媒体をイメージしてしまいますが、このテスト、始めから終わりまですべてPC上で行われます。
リーディングやリスニングはまだ分かるとして、ライティング・スピーキングまでも、画面に文字を打ち込んだり、ヘッドセットのマイクに録音したりして解答します。

あがり症の人にとっては、スピーキングが面接形式じゃない=試験官と顔を合わせて話す必要がない、というのは結構なメリットかもしれません(笑)。

落ちない!!

合否が判定されるDELEとは違い、点数式の評価なので、何万円も払ったのにそれが徒労に終わる…ということがありません。
受験すれば、各分野に関して「あなたはこれだけの力がありますよ」と判定してもらえる、優しい世界。

頑張った分だけ、細かく評価してもらえる。

やる気が出ますね。

結果の有効期限は5年間

もう一方の試験、DELEが一生涯有効なのに比べると短い気がしますが、それでも5年はデカい。

頻度が半端ない

受験会場にもよりますが、年数回どころか週3回ぐらい開催されています。受けたいときにいつでも受けられますね。

ギリギリ申込みOK、結果が出るのも早い!

この試験、もちろん受験申し込みもネット上なのですが、なんと試験日の数日前ぐらいまで申込可能なようです。
他の語学系試験でありがちな、申込みしそびれた…!ということがそれほどありません。

そして結果が出るのもかなり早いです。公式HPによると、最大3週間で結果が届きます。(もちろん結果もPCのマイページ上にPDFファイルで届きます)
筆者が受験したときは、12日後に結果が出ました。
就活などでできるだけ早く結果が欲しい…!というときにかなり助かるシステムです(実話)。

対策問題が約2回分ついてくる

冒頭で書いた通り、このテストは始まったばかりのかなり新しいもの。
なので、対策問題集などといったものもまだあまり出回っていません。
その代わり、試験の申し込みをすると、マイページからテストの説明ページにアクセスできるようになります。

それぞれの分野について、例題を使いながら1問目ではこんな問題が出ますよ~、こういうところに気を付けて解いて下さいね~という説明のビデオ、プラス、1回分の模擬試験問題が体験できます。
(ただし、模擬試験のライティング、スピーキングの記述式問題には、解答がついていません><)
つまり、例題(ビデオ内)+模擬試験問題の実質2回分の問題がついてくるということです。

模擬試験の記述式問題の解答については、先日SIELE当局よりきたアンケートで「お願いします解答つけてください(T_T)」と懇願しておいたのですが、どうなることやら。

実際に受けてみた

そもそもの受験のきっかけ

仕事を探そう!と某就職エージェントと面談をしたとき、語学学校には通っているもののスペイン語力を示せる客観的な数値をもっておらず、
「現時点で紹介できる仕事はありません😢」
という宣告を受けたこと。

DELEの方を受験することも考えましたが、一連の手続きで半年ほど時間がかかるので断念。
なるべく早く仕事を見つけたかったので、すぐに受けられて結果も早く出るSIELEをチョイス。
早速、3週間の準備期間を設定して試験日を選び、ネットで申込み。

★ネット申し込み時、「Tax Identification Number」という欄があり、申込者の心を折りますが、これは後々自分で確定申告等々で使う場合用の欄のようです。
私は必要なかったのでとりあえず0000000000と入力。特に問題ありませんでした。

問題はこんなカンジ

どの分野でも、1問目は簡単→問題が進むにつれて複雑になっていきます。
以下に、その例を挙げてみます。

★リーディング(正しくはComprensión de lectura)★
…メールや張り紙、文章の内容について正しい記載を選択する問題に始まり、
・文が数箇所欠けている文章を読み、欠けた部分にあてはまる文を選択肢から選ぶ
・長文中の空白部分にあてはまる正しい接続詞や単語を選ぶ などなど。
★リスニング(Comprensión auditiva)(音声は2回読まれます)★
…人物に関する短い文、ラジオコマーシャルを聞いて、正しい記載を選択する問題に始まり、
・10人ほどの人物の各々のエピソードを聞き、各人物の話の内容に合致する選択肢を選ぶ
・インタビュー音声を聞いて、その内容について正しい記載を選択
・専門的かつ長めの音声を聞いて、その内容について正しい記載を選択
★ライティング(Expresión e interacción escritas)★:問題は2問。
1問目は、友達のメールに返信を書く。(条件あり。100~150単語で)
2問目は、3行程度の新聞記事を読み、自分の考えを述べるor新聞社に投書する、という設定。(2問から1問選択。250~300単語で)
★スピーキング(Expresión e interacción orales)★
…最初は「誕生日はいつ?」のようなひと言質問から始まり…
・写真を見てそこで描かれている内容を説明(2問から1問選択)
・パーティーに誘う、問い合わせの電話をする等々(2問から1問選択)
・科学・社会問題などに関する短い記事を読み、それについての考えを述べる(2問から1問選択)
・科学・社会問題などに関する短い説明を聞いた後に、それについての質問(音声)があり、それに所定の時間内に答えていく(2問から1問選択)

といった感じです。

こちらで体験できます。(採点はされないみたいですが)

対策のしかたは?

当時は語学学校に通っていたので、学校では…

毎日1本ずつニュース記事を家で読んで、それについてコメントしたり、

リスニングでどうしても聞きとれない箇所を一緒に聴いてもらったり、

ライティングの問題を解いては添削してもらったり、

先生に雑誌を持ってきてもらって、その中から写真をピックアップして説明の練習をしたり…

教材が少ない中であの手この手で対策を進めました。
とにかく先生もしくはネイティブの人をつかまえて、分からないところは聞きまくりましょう。
並行して、対策問題中で出会った単語もインプット。

あ、それと、普段日本語のPCを使っている方は特に、PCのキーボードでスペイン語の文字を打つ練習も地味にしておくことをお勧めします。(@, ñ, ü, çなどの出し方等)
特にライティングの際の時間の節約になるほか、何より精神的に落ち着きます。

※キーボードの切り替えの仕方、文字の打ち方はコチラの記事(※他ブログ様)に詳しい記載があります。

就活を控えており、なるべく良い結果を残す必要があったため、受験を決めてからは、それまでのほほんとしていた学校生活が一変。
プレッシャーは結構なもので、謎の左肩痛が起こったりもしましたw

試験当日の様子

当日…なんと受験者は筆者一人でした。
会場に行くと、空間のど真ん中にヘッドホンが繋がれたPCが1台ドン!
開始時に会場の方が初期設定をしてくれたのですが、その後はその人もどこかへ行ってしまいw
鳥のさえずりが聞こえる、誰もいない空間で、自分のタイミングで4分野進めていきました(笑)。それでも時間との闘いであることは変わらないので、一人で焦りまくり(特にスピーキング)でしたが。

計3時間の勝負が終わった後は魂が抜けたみたいでした。。。

結果は・・・

数週間の沈黙を経て、ある日突然「結果をマイページ上にアップしときました☆」とメールが届きます。
そうして開けると、出てくるのがこんな感じのPDFファイル。(見本)

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1枚目には、受験者の生年月日などのデータと、それぞれの分野の得点数とその合計、
2枚目には、各分野ごとに「あなたは○点取り、それがどのレベル(A1~C1)にあたり、そのレベルとはどういうものか」という説明が書いてあります。
※マイページから英語表記バージョンもダウンロード可能です。

筆者は、リスニングがB2、それ以外はB1という結果でした。
レベル説明の記載を読むと、自分のレベルはまさにB1辺りだなと思うので、妥当な判定をしてくれていると思います。

「合否」という判断基準ではなく、分野ごとに「あなたはこのレベルです」と示してくれる、SIELE流の優しさがたまりません。
語学学校の先生にもこの結果表を見せたところ、やはりこの点について評価していました。
(まだ学校でも生徒がSIELEを受験した実績はあまりないようでしたw)

 

お値段はDELEよりも高く、なかなかに勇気のいる感じですが、これをきっかけにスペイン語強化を図ることができた&何より客観的なスペイン語レベル判定を受けたことで、その後めでたく仕事をいただけました。
今のスペイン語レベルをすぐに測ってみたい!という方にオススメです。